関東地方の福祉事務所で現職のケースワーカーを務める関係者の証言によると、近年増えているのが「ネットで見たから世帯分離の届出をしてきた」と住民票の写しを片手に飛び込んでくる相談者です。
「住民票上で世帯が分かれていることと、生活保護法上の独立した生計が成立していることは次元が違います。訪問調査に伺うと、同じ玄関を使い、冷蔵庫も台所も共有、光熱費の請求書も1本化されたまま『財布は別です』と主張されるケースが目立ちます。しかし、生計の独立性を証明するには、部屋の鍵の有無、光熱費メーターの分離、食費や消耗品の購入履歴が完全に独立しているかといった細部まで確認します。実態が伴わない分離は、単なる受給目的の工作と判断せざるを得ません」(福祉事務所担当者)
現場の実地調査(家庭訪問)は抜き打ちで行われることも多く、同居人の通帳履歴や生活動線まで丹念に調べ上げられます。もし虚偽の申告によって生活保護を受給したとみなされた場合、生活保護法第78条に基づく「生活保護の不正受給」として告発され、過去に支給された保護費全額に加えて最大40%の徴収金が加算されるという厳しいペナルティが科されます。
「軽い気持ちで裏ワザを試そうとした結果、役所のブラックリストに載り、本当に生活困窮に陥った際の審査が難航する」という事態は、現場取材でも少なからず報告されています。