多くのプレイヤーを悩ませるのが「テープ同士をどれくらい重ねて巻くべきか」という問題です。結論から言うと、中央から上部にかけての均一な重ね幅は2〜3mmが理想的な黄金比とされています。
重ね幅が1mm以下になると、使用中に革の伸縮によって隙間が開き、木製の下地が露出するトラブルが頻発します。逆に5mm以上深く重ねすぎると、グリップ全体に不規則な段差が生まれ、指先の繊細なフィーリングが損なわれてしまいます。ただし、エンドキャップ付近(小指がかかる最下部)だけは例外で、引っかかりを強くしてすっぽ抜けを防ぐために、あえて4〜5mm重ねて意図的にコブを作るテクニックも上級者の間では定番です。
ここで議論になるのが、「元グリップ(購入時に巻かれているレザー調の純正グリップ)を剥がすべきか否か」という点です。実業団選手やトップランカーの約8割以上が、購入直後に元グリップを剥がして木製シャフトを露出させる「アンダーラップ併用スタイル」を選択しています。
元グリップを剥がす最大の理由は、グリップサイズを細くして指先の操作性(フィンガーアクション)を極限まで高めるためです。太いグリップは力強いスマッシュを打つのに適している反面、ネット前の細かなヘアピンやドライブの瞬時なラケット面の切り替えにおいて、手の中でラケットを回すスペースを奪ってしまいます。
元グリップを剥がした木製シャフトの上に直接オーバーグリップを巻くと、角が立って手の平を痛めるため、ポリウレタン製のアンダーラップを巻いて太さとクッション性を微調整します。アンダーラップの巻き方のポイントは、引っ張りながら薄く伸ばし、好みの太さになるまで2〜4往復程度重ねることです。これにより、木材の角張りを適度に残しながら、吸振性とフィット感をミリ単位でコントロールできるようになります。