「以前のパソコンやガラケーでは見えていた秒数が、最近のスマホやPCでは見当たらない」という疑問の背景には、近年のハードウェアおよびOS開発における明確な設計思想が存在します。
最大の時計の秒数非表示の理由は、プロセッサの省電力制御(スリープステート)の維持にあります。画面上の時計が「分」刻みの表示であれば、描画処理を行うグラフィックパイプラインとCPUは60秒に1度起動するだけで済みます。しかし、秒数を常時更新する場合、システムは1秒ごとにアクティブ状態へ復帰しなければならず、プロセッサが最も深い省電力スリープに入るのを妨げてしまいます。
OS開発エンジニアの技術報告や各種パフォーマンステストによると、秒数を常時再描画し続けるだけで、ノートPCやスマートフォンのアイドル時における消費電力が数パーセント増加することが実証されています。近年のデバイスは高精細ディスプレイと大容量バッテリーを搭載しているものの、メーカー側は日常の一般的な用途においてバッテリー駆動時間を1分でも延ばすため、秒数表示をあらかじめ無効化する初期設定を採用しているのが実情です。