この場所を語る上で欠かせないのが、施設内で自然発生的に育まれてきた「美術部」の存在です。アトリエに足を踏み入れると、誰に指示されるでもなく、一心不乱に画用紙に向き合うメンバーたちの姿が広がっています。
几帳面に隙間なく敷き詰められた幾何学模様、思わずクスッと笑ってしまうユニークな人物描写、大胆な原色使いの動物たち――。それらは教育によって矯正された技巧ではなく、内面から湧き出る生々しい感情や純粋な好奇心がそのまま形になった「アール・ブリュット(生の芸術)」そのものです。
美術部で生まれたドローイングは単なる作品展示にとどまらず、各種ポスターやテキスタイルデザイン、企業のビジュアルなどにも多数採用されています。彼らにとって描く行為は特別な仕事ではなく、日々の息づかいそのもの。その飾らない素直さこそが、見る人の心を強く揺さぶる最大の理由です。