「なぜ、規模が小さいはずの市場で驚くべき利益が生み出せるのか」——。この問いに対する明確な答えは、大企業の経営構造と強烈なコントラストをなす隙間産業が儲かる理由のメカニズムに隠されています。
第一の要因は、大企業特有の「売上規模の制約」です。年間売上数百億円から数千億円規模の上場企業では、新規事業を立ち上げる際、「市場規模50億円以上」「初年度売上10億円以上」といった厳しい社内投資基準が設定されます。仮に市場全体の規模が2億〜3億円程度しかない領域であれば、仮にシェアを100%独占できたとしても、大企業の組織・人件費を維持する固定費を回収できません。つまり、大企業は「参入したくても採算が合わないため、構造的に見送らざるを得ない」のです。
第二の要因は、価格決定権の掌握です。大衆向け商品は競合との相見積もりや価格競争に巻き込まれ、利益率が数パーセント台にまで削り取られることが日常茶飯事です。しかし、「この特殊な部品は貴社からしか買えない」「この特異なトラブルを解決できる業者は他にいない」という代替不可能なポジションを確立できれば、価格競争は完全に消滅します。結果として粗利益率50%以上、営業利益率20%以上といった桁外れの数値を恒常的に叩き出すことが可能になります。