西田敏行さんの体調悪化が取り沙汰されるようになったのは、数年前からにさかのぼる。頸椎脊髄症の手術や心筋梗塞、胆のう炎など、度重なる病魔に見舞われながらも、彼は休むことなく役者としての歩みを止めなかった。一部の週刊誌やネットニュースで「余命宣告を受けていたのではないか」という噂が急速に広まったのは、彼が車椅子や椅子に座った状態での撮影が増えた時期と重なる。
だが、関係者によれば、西田さん自身が病状の厳しさを誰よりも自覚していたことは事実であるものの、悲壮感を周囲に見せることは一切なかったという。主治医から厳しい病状の説明を受けていたとしても、それを役者としての「終着点」ではなく、「今できる最高の演技を届けるための課題」として受け止めていた節がある。病と闘う姿勢そのものが、彼の人生哲学を体現していたと言えるだろう。