今回のリニューアルにおいて、一般の利用客が見落としがちな盲点があります。それは、「西武百貨店」という看板を掲げながらも、実際の館内主導権は不動産を保有するヨドバシHD側にあるという二重構造です。
この構造変化によって、多くの名物テナントが選択を迫られました。かつて池袋カルチャーの象徴だった大型書店「三省堂書店池袋本店」や「池袋ロフト」などは、売場面積の大幅縮小や別館・近隣施設へのフロア移動を余儀なくされました。また、中間価格帯のアパレルブランドの多くが退店となった一方で、外資系ハイブランドや高価格帯コスメは、1階・2階の目立つポジションに配置され、インバウンド免税需要を取り込むための専用カウンターも拡充されています。
ネット上の噂では「全館がヨドバシカメラになる」という極端な言説も見受けられましたが、これは明確な誤解です。フォートレスとヨドバシHDの狙いは、家電量販店の集客力で男性客・ファミリー層を呼び込みつつ、西武のデパ地下や高級コスメで富裕層・女性層を捉える「ハイブリッドなクロスユース」の確立にあります。