音楽活動と並行して、西郷輝彦は俳優としても目覚ましい実績を残した。特に時代劇における彼の存在感は圧倒的であり、キリッとした立ち振る舞いと深みのあるセリフ回しは多くの視聴者を魅了した。大河ドラマや民放の名作時代劇で見せた演技は、彼が単なる歌手ではなく、稀代の表現者であることを証明している。
現在ではNHKオンデマンドなどを通じて彼の主演作や名演を手軽に鑑賞できるようになり、若い世代のドラマファンからも高い評価を得ている。役者として培われた豊かな感情表現や物語の解釈力は、楽曲を歌い上げる際のリリックの届け方にも直接的に活かされていた。『赤い花』の一小節ごとに滲むドラマチックな情景描写は、演技者としての彼の血肉が確かに通っているからに他ならない。