1982年といえば、中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代らが続々と登場した、まさに昭和アイドル史における「花の82年組」の黄金期である。誰もが眩しい笑顔と親しみやすさを競い合うなか、スターボーの3人(ナカト、イマト、ヤアト)に課されたのは「絶対に笑ってはいけない」という過酷なプロトコルだった。
音楽番組のスタジオに降り立った彼女たちは、司会者からの質問にも機械的な声で短く応じるのみ。笑顔を振りまく同世代のアイドルたちから完全に孤立したその姿は、お茶の間に強烈な違和感と困惑を撒き散らした。だが、その徹底した世界観の構築こそが、40年以上の歳月を経てカルト的な輝きを放つ最大の要因となっている。