下蒜山アタックにおいて、登山計画書に落とし穴が生じやすいのが「下山後の交通手段」です。ネット上には「三座縦走は日帰り余裕」という健脚者の記録が溢れていますが、現地の実態を知らないと取り返しのつかない事態に陥ります。
犬挟峠から下蒜山、中蒜山を経て上蒜山へと至る縦走ルートは約11km、所要時間は約6〜7時間を要します。問題は上蒜山登山口に下り立った後、愛車が待つ犬挟峠登山口駐車場へどうやって戻るかという移動動線です。直線距離にして約9km、舗装路を歩けば3時間弱の追加歩行を強いられますが、疲労困憊の状態で歩道のない峠道を歩くのは極めて危険です。
コミュニティバス(まにわくん等)は本数が極めて限定的で、休日の接続ダイヤは登山者の行動時間と噛み合わないケースが大半を占めます。地元のタクシー営業所も待機台数が限られており、現地で電話をかけても「出払っていて1時間以上待つ」「配車エリア外」と断られるリスクがあります。蒜山三座縦走アクセスを成立させるためには、「事前に地元タクシーを時間指定で予約しておく」か、「仲間と2台の車で訪れ、下山地と登山口にそれぞれ配置する(車デポ)」の二者択一しかありません。この下山動線を曖昧にしたまま出発することは、登山における重大なリスク管理不足と言わざるを得ません。