このエリアの変容を語る上で外せないのが、ニュージーランド発のプレミアムロースター「ALLPRESS ESPRESSO」に代表される、いわゆるサードウェーブ・コーヒーの世界的潮流だ。木場公園近くに構えた大型の木材倉庫をリノベーションした焙煎所は、熱風式焙煎機によるクリアでまとまりのある味わいを提案し、エリア全体の味覚基準を引き上げた。
その影響を受け、門前仲町の路地裏にはこだわり抜いた自家焙煎コーヒーを提供する独立系ショップが続々と誕生した。豆の産地や農園、精製方法にまで妥協を許さない個々のロースターたちが切磋琢磨することで、門前仲町は単なるカフェ街にとどまらず、東京屈指の焙煎カルチャーの発信地へとステップアップしたのである。