エンジン音のない世界。それが2026年の阿蘇ドライブにおける最大の衝撃かもしれない。
今年、阿蘇地域全体で導入が進んだ全自動急速充電ステーションとEVシェアリングの普及により、訪れるドライバーの過半数が電気自動車を選択するようになった。アクセルを踏み込んでも、聞こえるのは草原を吹き抜ける風の音と、遠くで鳴く放牧牛の声だけ。静寂が、景観の解像度をいっそう引き立てる。
「以前は排気音やガソリンの匂いが気になる時間帯もありました。でも今は、まるで自然の一部になって空を飛んでいる感覚です」と、福岡から訪れた30代のドライバーは声を弾ませる。