埼玉協同病院を語る上で欠かせないのが、運営母体である医療生協さいたま生活協同組合の存在だ。組合員をはじめとする地域住民が出資し、協同で医療・健康づくりを推進する独自の組織形態が、病院の温かな風土の礎になっている。
全日本民主医療機関連合会(民医連)の会長も務めた増田剛氏らを筆頭に、同院に携わる医療従事者たちは一貫して「差別性のない医療」「だれもが安心してかかれる医療」の実現を掲げてきた。生活困窮者に対する無料低額診療事業の積極的な運用や、経済的理由で治療を諦めさせない患者支援の仕組みは、その象徴的取り組みといえる。
営利のみを追求するのではない。命の平等と人権を守る姿勢が、地域社会のセーフティネットとして機能しているのだ。