テレビ朝日と東映がタッグを組んで送り出す国民的刑事ドラマ『相棒』。その歴史の中で、主人公・杉下右京(演:水谷豊)と長年にわたり独特の緊張関係を保ち続けているのが、警視庁警務部首席監察官・大河内春樹である。
トレードマークは、胸ポケットから取り出されるシルバーのピルケース。神経質そうに噛み砕くラムネ菓子。初期のシーズンで描かれた大河内の個人的な葛藤や過去の悲恋は、刑事ドラマの定型を大きく踏み越えた衝撃のバックストーリーとして今なお語り草だ。「あの小道具一つ、噛み砕く音のタイミング一つで、組織に生きる男の孤独を表現したかった」と関係者は語る。規律に縛られながらも正義を貫く男の哀愁は、水谷豊との緻密な演技の応酬によって不動の存在感を確立した。