箱根の移動体系には、深い歴史と現代カルチャーが重なり合う独自の魅力が宿っている。かつてこの地に交通網を切り開き、観光バス事業の礎を築いた実業家・利光鶴松と小田急電鉄の歴史的挑戦は、今日の快適な周遊システムへと脈々と受け継がれている。
一方で、箱根はアニメーションの金字塔『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の舞台「第3新東京市」としても世界的に知られる。監督の庵野秀明氏が描いたSF的リアリズムと幻想的な風景が同居する街並みは、バスの車窓からも鮮明に体感できる。作品コラボのラッピングバスが峠道を走り抜ける光景は、歴史とポップカルチャーが融合した箱根ならではの特別な体験だ。