Webメディアや不動産フォーラムの一部では、「モノレールが来れば箱根ヶ崎の地価が跳ね上がる」「都心並みの商業施設が乱立する」といった過度な期待を煽る論調が見受けられます。しかし、都市計画と地域特性の冷静な分析に基づけば、いくつかの構造的な制約を見落としてはなりません。
第1に、モノレールの表定速度と運賃体系です。モノレールは一般鉄道(JR中央線や私鉄特急など)と比較して最高速度が控えめ(約65km/h)であり、立川駅以遠の都心(新宿・東京方面)へ向かう場合は立川での乗り換えが必須となります。運賃もJR単独利用に比べて割高になる傾向があるため、都心通勤の絶対的優位性を持つわけではありません。
第2に、JR八高線の運行ダイヤ自体の劇的な増発は容易ではないという点です。八高線は単線区間を多く抱えており、交換設備の制約からモノレール接続後も劇的な本数増加は難しいのが実情です。箱根ヶ崎のポテンシャルは「都心直結のベッドタウン」としてではなく、「多摩地域内部の広域移動拠点・車と共存するゆとりある郊外住宅地」として評価するのが現実的です。