徳島県三好市山城町に位置する小歩危峡は、吉野川の激しい水流が2億年ともいわれる途方もない歳月をかけて結晶片岩(砂質片岩)を削り出して形成された峡谷です。その荒々しいV字谷を一望できる小歩危展望台の最大の魅力は、天候や水量によって微妙に表情を変える吉野川 渓谷美の圧倒的な透明度にあります。
晴天が続いた後の川面は、底まで見通せるほどの澄んだエメラルドグリーンに輝きます。展望台の柵越しに覗き込むと、川岸に露出する灰白色の奇岩がまるで巨大な彫刻のようにそびえ立ち、水流の渦と白波が鮮烈なアクセントを加えます。このダイナミックな高低差が生み出すパノラマは、徳島県三好市 絶景の中でも屈指の迫力を誇ります。
さらに、鉄道ファンや写真愛好家にとって見逃せないのが、対岸の崖っぷちを通過するJR土讃線 撮影ポイントとしての価値です。緑深い山肌と荒々しい岩盤の間を縫うように走る特急「南風」や、週末を中心に運行される観光列車「四国まんなか千年ものがたり」がファインダーに収まる瞬間は、まさに旅情をかき立てるハイライトといえます。