離婚以降、彼女は一度も再婚していない。日本の政治という、極めて旧態依然とした男社会の中で頭角を現すにあたり、家庭や育児を持たないことは、皮肉にも彼女に「24時間365日、政治闘争に没入できる身軽さ」を与えた。
自由民主党で環境大臣や防衛大臣を歴任し、やがて東京都知事へと上り詰めた軌跡。もし彼女が一般的な家庭生活を送っていたなら、この権力闘争を生き延びられただろうか。男性政治家が「内助の功」を誇示する裏で、女性政治家には常に私生活の犠牲かキャリアの断念かの二者択一が迫られてきた。彼女の独身という選択は、日本政治のジェンダー構造に対する冷徹な適応策でもあった。