「昨日までたまっていた牛乳瓶が、今朝もそのまま残っている」
この小さな異変に気づけるのは、毎日同じルートを歩き、地域の顔なじみとなっている配達員だけだ。スマートフォンのアプリやスマート家電による見守りサービスは便利だが、機械の操作が苦手な高齢者にとってはハードルが高い。また、プライバシーの観点から監視カメラを嫌う人も多い。そこで浮上したのが、牛乳配達という極めてアナログなシステムだ。
配達員が異変を察知し、自治体や緊急連絡先に通報することで一命を取り留めたという事例が、全国で相次いでいる。ただの配達ビジネスではない。地域に根ざした「動くセーフティネット」としての役割が、今改めて評価されている。