卒業後に待ち受けるキャリアも独特だ。卒業生は自衛隊の幹部自衛官である医官としての任官が義務付けられており、原則として9年間の勤務を果たさなければならない。医師としてのファーストキャリアを築く20代の貴重な9年間を国防の現場に捧げる覚悟が求められる。
もし9年満了前に中途退職し、民間の医療機関へ移籍しようとすれば「償還金制度」という重い現実が立ちふさがる。在学中に国から支給された給与や学費に相当する額、時には数千万円規模の返還が求められる仕組みだ。この金銭的・時間的な拘束力こそが、生半可な気持ちでの入校を拒む最大の要因となっている。