この店の名を全国区に押し上げた立役者といえば、間違いなく「UFOチキン」だろう。円盤状の専用鍋の中央にたっぷりと湛えられたチーズの海。その周囲を取り囲むのは、ヤンニョムやハニーマスタードなど多彩なフレーバーを纏ったクリスピーなチキンたちだ。手袋をはめた指先でチキンをつまみ、熱々のチーズの渦へ豪快にダイブさせる。この奔放な食べ方こそが、モッパン(食事風景を楽しむ配信カルチャー)の文脈と見事に合致した。
Netflixの韓国ドラマやバラエティ番組を通じて日常的に韓国料理の魅力に触れる層が増えた現在、メニューに対する顧客の舌は肥える一方だ。しかし、この店は現状維持に甘んじない。定番のチキンに留まらず、伝統的なチゲやトッポギの要素を大胆に再構築したチーズ料理の数々を次々と投入。濃厚なコクの中にしっかりとした出汁の旨味や発酵唐辛子の辛味を効かせるなど、味のレイヤーの深さでリピーターの心を掴んで離さない。