新年の挨拶回りを、カレンダーやタオルを配るだけの単なる年中行事として捉えている企業と、年間の商談パイプラインを構築する機会と位置づけている企業とでは、その後の営業成果に劇的な差が生まれる。BtoB営業において、年始の訪問は顧客の今年度の注力施策や予算動向をいち早く把握できる貴重な情報収集の場だ。
日本マナー・プロトコール協会の指針が示すように、現代のビジネスマナーは形式的な作法を守ること以上に、相互の円滑な意思疎通と信頼の構築を目的としている。社内のビジネスマナー教育においても、従来のお辞儀の角度や座席の序列といった形式美にとどまらず、短い雑談から相手の潜在ニーズを引き出す「ヒアリングスキル」を取り入れる動きが主流になりつつある。
実際のビジネス実務では、最初の5分で新年の祝辞を述べ、続く10分で昨年の取り組みへの謝意と市場のトレンドを共有し、最後の5分で新春の協業テーマを提示する。このように訪問時間をあらかじめ構造化しておくことで、多忙な相手に対しても「会って有益だった」と感じさせることが可能になる。