街の玄関口である小田急小田原線の参宮橋駅は、都市インフラのあり方に一石を投じた。小田急電鉄が主導した駅舎改良によって、東京都檜原村産の木材をふんだんに取り入れた温もりのある木造デザインへと刷新。鉄骨とコンクリートが支配する東京の鉄道網において、木の香りが漂うプラットホームは利用者の五感を解きほぐすオアシスとして機能している。
駅舎の刷新は単なる美観の向上にとどまらず、地域住民のアイデンティティを強固にした。木材の経年変化が街の成熟と重なり合い、駅自体がコミュニティのリビングルームのような役割を担っている。