メディアによる影響だけでなく、新小岩駅には飛び込みの対象として選ばれやすかった複数の物理的条件が存在していました。なぜこれほどまでに集中してしまったのか、その真相には以下の明確な理由があります。
第一に、特急「成田エクスプレス」の通過速度です。新小岩駅の総武快速線ホームは緩やかな直線区間に位置しており、通過列車は時速約120km前後のトップスピードに近い速度で駆け抜けます。この圧倒的な高速通過が、突発的な行動を起こそうとする者に「確実に命を絶てる場所」という誤った強い思い込みを与えてしまいました。
第二に、駅の構造と視認性が挙げられます。快速ホームは見通しの良い島式ホームであり、遠くから接近する列車のライトや走行音が把握しやすい環境でした。さらに、都心(東京駅)から総武快速線で約13分というアクセスの良さも重なり、遠方からわざわざ新小岩駅を目指して訪れる人が後を絶たないという異常事態を招いたのです。