信用金庫と銀行の最大の違いは、その設立を定めた「根拠法」と「運営目的」にあります。銀行は銀行法に基づき設立された株式会社であり、株主の利益を最大化することが至上命題の営利法人です。顧客の居住地や企業規模に法的な制限はなく、大企業から個人まで広く取引を行い、グローバルな市場展開も可能です。
対する信用金庫は信用金庫法に基づく協同組織金融機関であり、非営利法人として運営されています。その目的は地域社会の活性化と相互扶助にあり、利益は株主への配当ではなく、地域の会員への還元や地域貢献事業へと充当されます。そのため、営業地域は特定の市町村や都道府県内に限定され、集めた資金はその地域内で循環させることが義務付けられています。
なお、似た名称の「信用組合(信組)」は中小企業等協同組合法などに基づく組織で、信用金庫よりもさらに狭い特定の業種や地域、職域の組合員を対象としています。メガバンクがグローバル経済、地方銀行が県内全域の経済圏を担うとすれば、信用金庫は「市区町村単位のコミュニティ経済」を支える防波堤としての役割を担っています。