心臓肥大とは「心臓の筋肉が厚くなる」危険サイン…放置で心不全リスクが急上昇する理由

心臓肥大とは「心臓の筋肉が厚くなる」危険サイン…放置で心不全リスクが急上昇する理由

心臓肥大とは「心臓の筋肉が厚くなる」危険サイン…放置で心不全リスクが急上昇する理由に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

心臓肥大の治療は、原因疾患への介入が基本となる。高血圧性心肥大であれば、血圧を厳格にコントロールすることで心筋の退縮が期待できる。降圧薬の中でもACE阻害薬、ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、血圧を下げるだけでなく心筋肥大そのものを退縮させる作用があるとされ、心不全発症予防の観点からも第一選択として用いられることが多い。

2026年現在、心不全治療薬は大きな転換期を迎えている。従来の標準治療だったβ遮断薬、ACE阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬に加え、SGLT2阻害薬が心不全の増悪予防効果を示し、糖尿病の有無を問わず広く処方されるようになった。さらに、肥大型心筋症に対しては、心筋の過剰収縮を抑える新規薬剤(ミオシン阻害薬)が登場し、従来は治療選択肢が限られていた患者にも新たな道が開けている。

手術が必要になるケースもある。大動脈弁狭窄症による心肥大であれば、外科的大動脈弁置換術またはカテーテルによるTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)が検討される。2026年の日本ではTAVIの適応が低リスク患者にも拡大され、高齢者でも体への負担が少ない治療を選べるケースが増えた。閉塞性肥大型心筋症に対しては、肥大した心室中隔を切除する中隔心筋切除術や、アルコールを注入して中隔を壊死させる経皮的中隔心筋焼灼術が行われる。

日常的な改善策としては、減塩が最優先だ。日本高血圧学会は1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることを推奨しているが、日本人の実際の平均摂取量は10g前後と大きく乖離している。減塩に加えて、適正体重の維持、有酸素運動、禁煙、節酒、十分な睡眠が心臓への負担を軽減する。食事ではカリウムを多く含む野菜・果物の摂取が血圧低下に寄与するが、腎機能が低下している人ではカリウム制限が必要になるため、主治医への確認が欠かせない。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。