兄弟の中で最も激しい衝突の末に教団を離れたのが、長男の大川宏洋氏です。宏洋氏は青山学院大学法学部を卒業後、教団の看板を隠して大手ゼネコンの清水建設に入社し、一般社会でのビジネス経験を積みました。
その後、教団へ戻ると芸能プロダクション「ニュースター・プロダクション」の初代社長に就任。映画の企画・脚本・主演を手掛けるなど、教団のメディア戦略の最前線を任されることになります。しかし、2018年後半に突如として教団離脱を宣言し、父親である大川隆法総裁との絶縁に踏み切りました。
宏洋氏が教団と絶縁を決意した背景には、主に3つの決定的理由が存在します。
第一に、「霊言(れいげん)」に対する根本的な不信感です。幼少期から間近で父親を見てきた宏洋氏は、霊言現象を「父親の創作・演技に過ぎない」と確信し、信仰を持つことができなくなったと明かしています。
第二に、表現の自由とクリエイティブ方針の対立です。自身が手掛ける映画や演劇作品に対し、教団幹部や父親から教義の押し付けや検閲が入り、表現者としてのアイデンティティを著しく侵害されたことが大きなストレスとなっていました。
第三に、強制的な見合い・結婚の強要です。教団側から特定の女性幹部や信徒との政略結婚を強く迫られ、個人の人生の自由が完全に否定される環境に限界を迎えたことが、決定打となりました。