日本のテレビ史において、長年にわたり日曜夜の茶の間を独占した『行列のできる相談所』(旧『行列のできる法律相談所』)。この番組が果たした歴史的役割は、単なるバラエティの枠にとどまらない。敷居が高いと敬遠されがちだった法律トラブルを、視聴者が自分事として考えられる極上の会話劇へと昇華させた点にある。
まさにこの「リーガル・エンターテインメント」という新ジャンルを確立した立役者こそ、北村晴男に他ならない。難解な判例や法理を、身近な日常の対立構造へと置き換える手腕。バラエティの軽快なテンポ感の中に、決して揺らがない法の原則を打ち立てたことで、国民の法意識そのものを劇的に底上げしたのである。