クリエイティブの核心を担う存在として名前が挙がっているのが、カンヌ国際映画祭をはじめ世界的な評価を確立している是枝裕和監督だ。社会の周縁に追いやられた人々を見つめる是枝の眼差しが、この変わりゆく街に注がれている。
作品は、土地を奪われる住民の葛藤を描く繊細なヒューマンドラマの骨格を持ちながら、利権を巡る男たちの暗闘がスリリングに展開するサスペンスの要素を濃密に孕んでいる。善と悪の境界線が曖昧な登場人物たちが、消滅寸前の路地で激突する。是枝監督が長年培ってきた即興的な演出とドキュメンタリー的アプローチが、実際の再開発現場という生の空間で爆発的な化学反応を起こそうとしている。