NHK連続テレビ小説『半分、青い。』の主題歌オファーを受けた際、星野源はすでに社会現象となった『恋』の大ヒットを経て、次なる音楽的ステップを模索している真っ只中にありました。当時のインタビューや公式発言によると、NHK側からのオーダーは「毎朝聴きたくなるような元気の出る楽曲」という大枠のものでしたが、星野源が提示したのは、単なる励ましやポジティブシンキングを突き放すような、圧倒的リアリズムに満ちたポップスでした。
くも膜下出血による二度の闘病生活を経験した星野源にとって、「生きること」と「死の気配」は常に隣り合わせにあります。朝ドラのヒロイン・鈴愛(すずめ)が左耳の聴力を失いながらも前を向いて生きる姿と、自身が経験した生の苦悩を重ね合わせ、「物事には必ず光と影があり、影を無視した光は本物ではない」という確信のもと、楽曲制作が進められました。
タイトルとなった『アイデア』という言葉には、困難や絶望に直面したとき、それを乗り越えるための唯一の武器は「人間の知恵と発想(アイデア)」であるという強い信念が込められています。