『アイデア』の魅力は、星野源を取り巻くトップクリエイター陣との化学反応によって何倍にも増幅されました。その最たる例が、三浦大知による振付と関和亮監督によるMV、そしてSTUTSの抜擢です。
ミュージックビデオ(MV)では、巨大な撮影スタジオに作られたセットの「表と裏」を星野源が縦横無尽に移動しながらワンカット風に撮影する斬新な演出が採用されました。華やかな美術セットの裏側にある骨組みや機材、スタッフの姿をあえて見せる構造は、「日常の表層だけでなく裏側の影や葛藤も含めて人生である」という楽曲テーマを見事に視覚化しています。
このMVにおいて、楽曲の持つエネルギーを全身で体現したのが三浦大知の振付です。旧知の仲であり、互いの音楽性を深くリスペクトし合う二人のタッグにより、単なるダンスの枠を超えた「感情の躍動」が形作られました。MVの間奏部分には三浦大知が一瞬だけ出演しており、公開直後からSNS上で大きな話題を呼びました。
また、ヒップホップシーンで注目を集めていたSTUTSを朝ドラ主題歌のトラックメイクに起用した采配は、日本のメジャーポップス界に大きな風穴を開けました。MPCを用いたフィンガードラムの質感をそのまま楽曲の心臓部に据える試みは、星野源の鋭いプロデュース能力と先見性を証明しています。