東京・神宮前4丁目の閑静な裏通りに位置した「Flying Tiger Copenhagen 表参道ストア」は、2013年10月2日にオープンしました。大阪・アメリカ村の日本1号店に続く国内2号店であり、首都圏初の旗艦店として初日には約1,000人以上が列を形成。入店整理券が即座に配布終了となるほどの熱狂を生み出しました。ワンウェイ(一方通行)の回遊型フロア設計、100円〜数百円台を中心とした圧倒的なプチプラ価格、北欧ならではのユーモラスなデザインは、日本の雑貨市場に革命をもたらしたと言えます。
それから約8年3カ月が経過した2026年1月30日、表参道ストアは多くのファンに見送られながら営業を終了しました。閉店が告知された当時、一部では業績悪化やブランド失速といった憶測も飛び交いましたが、実際の構造的要因は別のところにありました。
運営元であるゼブラ・ジャパン関係者の動向やリテール市場の分析によると、主因は「定期建物賃貸借契約の満了」と「店舗ポートフォリオの抜本的再構築」です。表参道のような超一等地の大型路面店は、ブランドの認知拡大を図る「ショールーミング(広告塔)」として絶大な役割を果たしました。しかし、ブランドが日本市場に完全に定着したフェーズにおいて、高額な固定賃料がかかる大型路面店を維持する意義は変化します。より生活動線に直結したショッピングセンター(SC)や駅ビル、エキナカへの小型・中型出店へと舵を切る経営判断が下されたことが、最大の閉店理由でした。