後藤忠政の現在とカンボジア移住の真相|巨額投資と伯爵号の真実

後藤忠政の現在とカンボジア移住の真相|巨額投資と伯爵号の真実

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後藤氏が日本を離れ、カンボジアへ拠点を移すに至った背景には、単なる隠遁生活とは一線を画す複合的な力学が作用していました。発端は2008年10月、持病の治療を理由に山口組執行部の定例会を欠席し、著名演歌歌手らを招いて開いた誕生日ゴルフコンペが引き金となった山口組からの「除籍処分」です。事実上の引退を余儀なくされた彼は、2009年に神奈川県内の寺院で得度し、僧名「忠叡」を名乗って仏門に入りました。

転機を決定づけたのが、2010年5月に刊行された自叙伝『憚りながら』(宝島社)の社会的大ヒットでした。暴力団と大手政党、宗教団体、金融機関、芸能界の癒着を赤裸々に告白した同書は10万部を超えるベストセラーとなり、印税の全額が慈善事業へ寄付されましたが、同時に各方面に凄まじい波紋を広げました。国家権力による徹底的な監視体制が敷かれるなか、2011年までに全国の自治体で整備された暴力団排除条例が、彼の逃げ場を完全に奪っていきます。

元組長という経歴を持つ人物は、銀行口座の開設、クレジットカードの作成、不動産の賃貸・売買、果てはホテルの宿泊に至るまで、近代社会のインフラから完全に排除されます。生存権すら脅かされる国内環境にあって、海外移住は極めて合理的な選択肢でした。さらに、自身が敬虔な仏教徒であること、小乗仏教(上座部仏教)が国教として深く根付くカンボジアの宗教観に強いシンパシーを抱いたことが、この国を終の棲家に選ぶ決定打となったのです。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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