大型のホッキョクグマから小型の鳥類まで、多種多様な生き物が暮らす園内では、死の態様も千差万別だ。前園長であり、動物の生態と命のサイクルを伝える展示を牽引してきた坂東元氏は、生前の対談や取材の中で、動物たちの「最期」に対する揺るぎない敬意を語っていた。死を迎えた命を単なるゴミとして扱うことは決して許されないという信念が、現場には深く根付いている。
しかし、現実の壁は高い。巨体の動物を火葬処理するには多大なエネルギーと時間を要する。熱効率や灰の回収方法、さらには骨の保存状態に至るまで、現場のスタッフは精神的にも肉体的にも過酷な負担を背負う。「命の教育」を掲げる一方で、死後処理の厳酷な現実に直面する飼育員たちの葛藤は、外部からは見えにくい裏側の真実だ。