告示日の午前中、各陣営が最も激しい戦術を展開するのが公営ポスター掲示場へのポスター貼りです。数万枚規模のポスターを市内数百カ所から千カ所以上の掲示板へ、いかに早く貼り終えるかが陣営の組織力を示す指標となります。
ポスター掲示場のルールとして、抽選で決まった指定番号以外の枠に貼ることは厳禁です。貼り間違えは陣営自らの手で修正しなければならず、他陣営のポスターを破損・隠蔽した場合は選挙自由妨害罪に問われます。実務現場では、受付会場に待機する「くじ引き担当」が電話で番号を伝達した瞬間、市内各地に配置された数百人のボランティアが一斉に指定枠へ貼り出す分刻みの作戦が展開されます。
同時に街中を走り始める「選挙運動用自動車(街宣車)」にも、公職選挙法に基づく細かな使用基準が課されています。
- 運行時間帯:原則として午前8時から午後8時までに限定
- 音量と連呼行為:走行中の演説は禁止され、認められるのは「連呼行為(候補者名の繰り返し)」のみ
- 静粛義務エリア:学校、病院、診療所等の周辺ではマイク音量を落とすか静穏を保つ法的義務
- 乗車制限:車上に乗れる人数は運転手を除き4名(候補者含む)まで、所定の腕章着用が必須
有権者からは「騒音」としての批判も根強い街宣車ですが、高齢者層やネットに不慣れな層に対する認知獲得ツールとして、現場では依然として最重要視されているのが実態です。