牛すじ料理の成否は、調理前の下処理で9割が決まると言っても過言ではありません。下処理を怠ると、独特の獣臭さや余分な脂分がスープ全体に回り、くどくて重たい仕上がりになってしまいます。まずは基本となる「茹でこぼし」と「香味野菜による下茹で」を確実に行う必要があります。
最初の手順は、たっぷりの水に生の牛すじ肉を入れ、強火にかける作業です。最初から熱湯に入れると表面のタンパク質が急激に固まり、内部の血や臭みが閉じ込められてしまいます。必ず水から加熱することが灰汁を完全に浮き上がらせるコツです。沸騰して大量の泡と灰汁が出てきたら、2〜3分ほどグラグラと沸騰させた後にザルへあけ、流水で表面の汚れや凝固した脂をひとつひとつ丁寧に洗い流します。
続いて、臭み取りの主役となる長ネギの青い部分と皮付きの薄切り生姜、そして少量の酒を加えて本茹でに入ります。この工程を圧力鍋で行う場合は、ひたひたの水を注いでピンが上がってから弱火で約5〜10分加圧し、自然減圧するだけで肉の臭みが消え去り、驚くほど澄んだ下茹でスープが完成します。