彦摩呂(本名・原 彦麿)が芸能界の表舞台に立ったのは、1980年代後半の激動の時代でした。モデル活動や企業勤務を経て、1988年に秋元康プロデュースによる男性10人組路上パフォーマンス・アイドルグループ「幕末塾」のオーディションに合格。グループのリーダーとして抜擢され、翌1989年にシングル『時代を殴るには自分の素手がいい』で鮮烈なメジャーデビューを飾りました。
当時の写真や映像アーカイブに刻まれているのは、彫りの深い端正な顔立ちと、引き締まったシャープなフェイスラインです。身長172cmに対し、当時の公式体重はわずか58kg。切れ長の涼しげな瞳と抜群のスタイルを誇り、雑誌のグラビアやトレンディドラマ『刑事貴族』(日本テレビ系)などの映像作品でも、硬派な美男子枠として強烈な存在感を放っていました。
当時の特番インタビューや自著・手記で本人が語った回想録によると、渋谷や原宿の歩行者天国でのストリートライブには黄色い歓声が飛び交い、出待ちのファンが殺到する熱狂ぶりだったと記されています。「当時はモテて仕方なかった」という本人の述懐は決して誇張ではなく、昭和末期から平成初期のアイドルシーンにおいて、トップクラスのビジュアルを誇っていた客観的事実が当時のメディア資料からも裏付けられています。