現在の柔和で丸みを帯びたビジュアルからは想像もつかないかもしれませんが、20代前半の彦摩呂は誰もが息をのむ正統派の美青年でした。切れ長の涼しげな目元、シャープに引き締まったフェイスライン、そしてすらりとしたスリムなスタイルを持ち、当時の女性ファンを熱狂させていたのです。
芸能界入りのきっかけは、1988年に開催された「ナイスガイ・コンテスト」でした。応募総数数千人の中から見事に準グランプリを獲得した彦摩呂は、秋元康がプロデュースを手がけた男性アイドル&パフォーマンス集団「幕末塾」のメンバーとして抜擢されます。しかも、個性豊かなメンバーを束ねるリーダーを務め、翌1989年にシングル『時代を殴るために』で華々しくメジャーデビューを飾りました。
幕末塾は歌とダンスだけでなく、ダイナミックな殺陣やコントもこなす異色のエンターテインメント集団として一世を風靡。同期には現在も俳優として活躍する咲輝(現・榊原利彦)らがおり、彦摩呂はその中心として抜群の存在感を放っていました。当時の宣伝用スチール写真や雑誌のグラビア画像を見ると、まるで昭和歌謡やトレンディドラマの主役を張る若手俳優そのものであり、現在とのギャップに驚かされるのも無理はありません。