岩下志麻は1941年(昭和16年)1月3日生まれ、東京都中央区銀座の出身です。父は歌舞伎役者で俳優の野々村潔、母は女優の山岸美代子という芸能一家に育ち、成城大学在学中に女優デビューを果たしました。
松竹に入社後、巨匠・小津安二郎監督の遺作となった映画『秋刀魚の味』(1962年)のヒロインに抜擢され、その清純さと端正な顔立ちで一躍トップスターの座を確立します。若い頃の美貌はまさに圧巻で、完璧に整った目鼻立ちと透明感のある白い肌は、当時の日本映画界でも群を抜く存在でした。
単なる清純派にとどまらず、情念の深い女性や妖艶な悪女、芯の強い母など幅広い役柄に挑み続け、名実ともに日本を代表する大女優へと成長していきました。彼女が歩んできた女優としての経歴は、日本映画史の黄金期そのものと言えます。