演繹法と帰納法の歴史は古く、アリストテレスまで遡ります。彼は演繹的論理学を体系化し、三段論法の形式を確立しました。中世ヨーロッパでは、神学論争の基礎として演繹法が重視されました。
近代科学の発展とともに、帰納法が注目を集めます。フランシス・ベーコンは17世紀初頭、観察と実験に基づく帰納的方法こそが真の知識をもたらすと主張しました。この考え方が、現代の実証主義科学の基礎となっています。
20世紀に入ると、カール・ポパーが「反証可能性」という概念を提唱します。科学理論は証明できないが、反証は可能だという考え方です。これは帰納法の限界を認めつつ、科学的方法論を洗練させる試みでした。