首相が解散に踏み切る理由は、表向きは「重要政策への国民の信任」「内閣発足に伴う民意の確認」などが挙げられますが、政治の現場における実態は極めてプラグマティック(実利主義的)です。
解散権を行使する最大の隠れたメリットは、「与党側に最も有利なタイミングを選べる点」にあります。内閣支持率が高い時期や、野党側の選挙協力・候補者調整が整っていない隙を突いて奇襲的に解散を打つことで、与党は議席の維持・拡大を狙います。また、党内の反主流派を抑え込み、首相の求心力を一気に高める権力維持の手段としても機能します。
しかし、デメリットやリスクも甚大です。大義名分のない「党利党略解散」「自己都合解散」と世論に受け止められた場合、激しい反発を招いて惨敗を喫する危険性を常に孕んでいます。さらに、国会が閉会し選挙期間に入ることで、重要法案の審議ストップや予算編成の遅れといった「政治空白」が生じ、外交や経済政策に停滞をもたらすコストは国民全体が背負うことになります。