インターネット上の掲示板やSNSでは、「野登トンネル内で不気味な声が聞こえた」「後部座席に人影が見えた」といった心霊体験談が散見されます。しかし、公式記録や地域史料を精査しても、トンネル内で心霊現象を裏付ける客観的事実は一切存在しません。
それにもかかわらず噂が広まった背景には、主に3つの要因が絡み合っています。
- 近隣の旧道・廃峠の伝承との混同:野登山周辺には古くからの山岳寺院(鶏足山野登寺)や難所として知られた旧街道が存在し、古くからの怪談や遭難事故の記録が新名神の近代的なトンネルと混同されて語られたケース。
- 地名の特異性と閉塞感:「野登(ののぼり)」という独特の響きと、4km以上に及ぶ暗く巨大な人工空間がドライバーの心理的不安を増幅させたこと。
- 開通初期のネット拡散:開通直後にトンネル内での故障車や小規模な接触トラブルがSNSで過剰に脚色され、心霊スポットの文脈でまとめられたこと。
調査の結果、ネット上で語られるオカルト話のほとんどは、長大トンネル特有の心理的錯覚と地域伝承が後付けで結びつけられた都市伝説であることが判明しています。