野口五郎を語る上で欠かせないのが「新御三家」としての足跡だ。西城秀樹、郷ひろみとともに一時代を築き上げ、社会現象を巻き起こした日々。メガヒット曲『私鉄沿線』をはじめ、幾多の名曲でNHK紅白歌合戦の舞台を彩り、歌謡曲黄金期を牽引した彼のキャリアは、常に凄まじいプレッシャーと隣り合わせだった。
盟友たちとの切磋琢磨、そして時代の変化に伴う音楽産業の激動。盟友との別れや声の不調、アーティストとしての葛藤に直面したとき、常に一番近くで彼を支えたのが妻の存在だった。音楽に対して妥協を許さず、深夜までスタジオに籠もる夫の生活リズムを完全に理解し、健康面とメンタル面の両輪から支え続けた。過剰に干渉せず、しかし決定的な瞬間には惜しみない支援を与える。この絶妙な距離感こそが、彼が第一線で歌い続けられる最大の原動力となった。