有事における防衛線としての医療体制を測る指標が、Global Health Security Index(GHSI)だ。感染症対策の法整備、サーベイランス機能、サプライチェーンの強靭性を評価するこの指数では、従来の総合医療ランキングとは異なる勢力図が広がる。パンデミックの教訓を経て、平時の病床効率だけでなく、緊急時のキャパシティ転換能力が評価の主軸へと移行した。
また、米誌ニューズウィーク(Newsweek)が発表する「World's Best Hospitals 2026」では、米国のメイヨー・クリニックやクリーブランド・クリニック、カナダのトロント総合病院が上位常連として君臨するなか、アジア勢の躍進が目立つ。日本の東京大学医学部附属病院や聖路加国際病院なども健闘を見せるが、AI診断の臨床導入や国際的な臨床試験数において、欧米トップ病院との差が開きつつある点は見逃せない。