一青窈の読み方と本名のルーツ|台湾の旧家と激動の生い立ちを追う

一青窈の読み方と本名のルーツ|台湾の旧家と激動の生い立ちを追う

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一青窈のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、日本と台湾という2つの祖国を結ぶ特別なルーツです。父親は台湾の大財閥「基隆顔家(きーるんがんけ)」の跡取りであった顔恵民(がん・けいみん)氏、母親は石川県出身の日本人である一青千恵(ひとと・ちえ)さんです。

基隆顔家は、日本統治時代に炭鉱や金鉱の開発を手がけ、台湾の近代化を牽引した名門中の名門です。一青窈自身も幼少期は台湾・台北市で育ち、現地の幼稚園に通っていました。小学校進学のタイミングで母、姉とともに日本へ移住し、名門私立・森村学園初等部へと進学します。その後、日本国籍を選択・取得するにあたり、母親の旧姓である「一青」を名乗ることとなりました。したがって台湾名としては「顔窈(Yen Yao)」という名も持ち合わせています。

しかし、名家の子息として育った華やかな日々の裏には、早すぎる肉親との別れという過酷な現実がありました。小学生のときに最愛の父が癌により他界。女手一つで姉妹を育て上げた母もまた、一青窈が高校生(10代後半)のときに同じく病に倒れ、帰らぬ人となりました。

遺された姉妹は互いを支え合って生きていくことになります。姉の一青妙(ひとと たえ)氏は、歯科医師として医療の現場に立ちながら、舞台女優やエッセイストとしても活躍。母の残した台湾料理のレシピノートを題材にした著書『私の箱子(ママの箱)』などは映画化もされ、姉妹それぞれの視点から家族の絆と台湾ルーツを発信し続けています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。