一人暮らしの水道代を論じる上で、決して避けて通れないのが「居住地による圧倒的な地域格差」です。水道事業は民間企業ではなく、各市区町村の地方公営企業が独立採算制で運営しています。そのため、水源からの距離、水質浄化にかかる薬品・電力コスト、地形、そして管路を維持するための人口密度によって、設定される基本料金と従量料金に天と地ほどの開きが生じます。
日本水道協会の調査資料や各自治体の公表データを比較すると、日本で最も水道料金が安い自治体と最も高い自治体では、同一使用量(20㎥換算)であっても月額料金に約8倍もの格差が存在します。水源が豊富で自然流下の地下水を利用できる地域では月額1,000円未満で済む一方、ダム建設費用の償還や過疎地での長大な送水管維持を抱える自治体では、単身者であっても月額5,000円〜7,000円を超える基本負担を強いられるのが現実です。
さらに注目すべきは、2026年最新水道料金改定をめぐる全国的な潮流です。高度経済成長期に整備された水道管の耐用年数(40年)到来に伴い、全国各地で基幹管路の更新と耐震化工事が急務となっています。人口減少に伴う料金収入減とインフラ更新費用の増大という二重苦に直面し、2026年から2026年にかけて15〜30%前後の料金値上げに踏み切る自治体が相次いでいます。「以前住んでいた街と全く同じ感覚で水を使っていたら、転居先で水道代が1.5倍になった」という事態は、もはや珍しい話ではありません。