光熱費の管理において最も手ごわい敵は、外気温でも電気会社でもなく、人間の心に潜む「現状維持バイアス」です。行動経済学が示す通り、人間は「何かを変えることによる小さな労力」を過剰に嫌がり、「何もしないことで払い続けている無駄なコスト」を過小評価する傾向があります。
「プラン変更の手続きが面倒」「アンペア変更の電話が億劫」と放置した結果、毎月1,500円、年間で1万8,000円もの現金を捨て続けている単身者がいかに多いことでしょうか。また、「まだ動くから」と15年前の旧型家電を使い続ける行為は、一見倹約に見えて「サンクコスト効果」に囚われた経済的自傷行為に他なりません。
【見直すべき人・慎重になるべき人の判断基準】
▼今すぐ契約や設定を抜本的に見直すべき人:
- 一人暮らしで春・秋の電気代が6,000円、冬の電気代が1万円を超えている
- 部屋の契約アンペア数が40A以上になっている(電子レンジとドライヤーを同時に使わないなら20〜30Aで十分)
- 引っ越してきてから大手電力会社の標準プラン(従量電灯Bなど)を一度も見直していない
- 窓ガラスに手をかざすと冷気が滝のように流れ落ちてくる
▼無理な切り替えに慎重になるべき人:
- 近々(数カ月以内)に引っ越しを予定している(解約違約金が発生するプランの回避)
- マンション全体が一括受電契約を結んでいる(個別の電力会社乗り換えが規約上不可)
- 「市場連動型」のプランで、電力需給の急変動リスクを自己管理できない