医療や事件事故の報道では、似たような言葉が複数使われるため、混乱を招きがちです。それぞれの言葉が持つ正確な意味と管轄領域を整理すると、その差は歴然となります。
最も誤解されやすいのが「重症と重体の違い」です。消防庁の基準において「重症」とは、単に「3週間以上の入院を要する傷病」を意味します。そのため、大腿骨を骨折して全治2カ月の入院が必要な場合でも、意識がはっきりして会話ができ、生命の危険がなければ「重症」と分類されます。一方、「重体」は生命そのものが脅かされている状態を指します。
また「重体と重篤の違い」については、重体が警察やメディア中心の報道用語であるのに対し、重篤は医師がカルテや診断書で用いる公式な医学用語という側面を持ちます。「危篤と重篤の違い」においては、重篤が「治療によって命を救える可能性がまだ残されている状態」であるのに対し、危篤は「あらゆる手立てを尽くしても死が避けられない終末期」を指す点で明確に異なります。