カウンター越しに立ち上る熾火の熱。うちわで巧みに風を操り、鶏肉の表面をパリッと焼き締めつつ肉汁を閉じ込める。焼き鳥は、伊勢崎の夜を語る上で外せない王道の主役だ。上州地鶏をはじめとする厳選肉を部位ごとに絶妙な火入れで提供する職人たちの技は、訪れる者の舌を唸らせてやまない。
そこに合わせるべきは、群馬県が誇る清冽な伏流水で仕込まれた日本酒の数々だ。キレのある辛口から芳醇な無濾過生原酒まで、地元の酒蔵が情熱を注いだ一本が串の脂を心地よく流してくれる。「この部位にはこの一杯」という店主の確かなペアリング提案に身を委ねる時間こそ、大人の酒場の醍醐味と言えるだろう。