大手宿泊予約サイトや旅行コミュニティ、SNS等に寄せられた数百件におよぶ最新の宿泊記と口コミデータを精査すると、宿泊者が特に高く評価しているポイントと、逆に戸惑いを覚えた点が浮き彫りになってきます。
まず圧倒的な高評価を集めているのが、名物風呂である「月光の湯」および貸切風呂の充実度です。横手館には大浴場「折鶴の湯」のほか、プライベート空間で源泉かけ流しを味わえる貸切風呂が用意されています。宿泊者の手記には以下のような実感のこもった声が並びます。
「大浴場も素晴らしいが、月光の湯の深みのある木の質感と、鉄分の香りが立ち込める濃密な湯船は別格。周囲の視線を気にせず、茶褐色の源泉に身を委ねられる貸切時間は何物にも代えがたい贅沢だった」
温泉マニアの間でも、加水を行わない本物の黄金の湯を貸切で堪能できる宿は伊香保広しといえども極めて貴重であると認識されています。
続いて料理に関する評判です。横手館の夕食は、群馬県が誇るブランド牛「上州牛」のすき焼きや陶板焼きを中心に、地元で採れた山菜や清流の恵み、名物の刺身こんにゃくなどを丁寧に盛り込んだ季節の和会席が供されます。利用者の声によると、「奇をてらった派手な創作料理ではなく、素材の持ち味を活かした滋味深い味付け」「派手なバイキングとは異なり、落ち着いて一品一品を味わえる」と、幅広い年代から安定した支持を得ています。配膳時の仲居の細やかな気配りや、昔ながらの温かいもてなしの距離感に感動したという記述も目立ちます。
一方で、本館滞在者の声には「夜間に隣の部屋の話し声や廊下を歩く軋み音が聞こえた」「洗面台が共用のため朝の身支度に少し気を遣った」といった指摘も確実に存在します。これらは宿の欠陥というよりは、大正木造建築の構造的特性をあらかじめ理解していたか否かという認識のギャップに起因するものです。